BINDER
顔料捺染バインダー
捺染の際、顔料だけでは繊維に固着しないため、顔料を繊維に固着させる用途としてバインダーと呼ばれる接着剤を使用します。従来は元糊(※)やレジューサー(※)、助剤(※)などを用途に適した配合にしていましたが、近年は顔料を混ぜるだけでスクリーン印刷に適したインスタントバインダーが主流となっています。
適用繊維:綿、T/C、ポリエステルなど
適用樹脂:アクリル樹脂、ウレタン樹脂
【取扱いメーカー】
ユニ化成株式会社、大日精化工業株式会社、DIC株式会社、林化学工業株式会社、北広ケミカル株式会社、P.C.カサマツ株式会社
※元糊:顔料を繊維上に固定させるための接着剤で製品の耐洗濯性、耐摩擦性等の堅牢度、あるいは風合い(感触)を左右します。
※レジューサー:プリント時の作業性や風合い(感触)、顔料の発色性等を付与します。
※助剤:元糊の機能を向上させ、耐溶剤性や耐洗濯性等の諸物性を向上します。
インスタントバインダーは、顔料染み込みバインダーとラバーバインダーに大きく分類され、使用樹脂によりアクリル系とウレタン系に分かれます。
また酸化チタン(白色顔料)の含有量により、クリア、マット、ホワイトがあります。
バインダー | 顔料染み込み | アクリル系 | クリア |
マット | |||
ホワイト | |||
ラバー | アクリル系 | クリア | |
マット | |||
ホワイト | |||
ウレタン系 | クリア | ||
マット | |||
ホワイト |
浸透性が良く、風合いも良好で染料調なプリントができるバインダーです。
ラバー調なプリントができるバインダーです。
安価で一般的に多く使用されており、ポリエステル生地に対して昇華(ブリード)がしづらい樹脂です。
高価ですが、タック(べたつき)が少なく、堅牢度が高いです。伸縮性が良く、風合いも良好です。
発色性が良い透明なバインダーです。顔料以外にも金粉やグリッター、蓄光等のプリントにも使用できます。
隠蔽性を出すために酸化チタン(白色顔料)が若干入った着色用バインダーです。顔料を使用した際、クリアと比べ若干発色は劣りますが、濃色生地へ隠蔽性のあるカラープリントに使用できます。
マットよりも酸化チタン(白色顔料)の量が多く入ったホワイト印刷用バインダーです。ホワイトプリントや濃色生地への下引き用に使用できます。
ホットメルトが含まれ、フロッキーや箔の素材を生地に転写するためのバインダーで、低・中・高温タイプのものがあります。
発泡剤が含まれ、プリント後、熱乾燥や熱プレスにて膨らみます。低・中・高温タイプのものがあります。
プリント乾燥後にひび割れを起こします。縦割れや亀甲調などのひび割れプリンができます。